お役立ち情報として、建設業界で働くことに関しての法制度についてご紹介します。
多様化した働き方に合わせて法律も変わり続けているので、弊社塗装職人も時代の変化に対応するとともに、法律の変遷も常に意識しています。

就職・退職について

退職・解雇

労働者が一方的に解雇されることは、さまざまな法律で禁止されています。労働基準法、労働契約法のほかに、男女差による解雇を禁止した男女雇用機会均等法、育児や介護の申し出を解雇理由にできないための育児・介護休業法などがあります。

一方で労働者は、会社の就業規則に則って退職することができます。

試用期間

会社によっては、採用から一定期間を「試用期間」(研修期間・見習い期間・仮採用)としていて、その間は賃金が低いなど労働条件が異なる場合があります。
試用期間があることや、その場合の労働条件が異なることは募集要項に明記しなければいけません。条件を見落とさないように、注意が必要です。

労働基準に関する法制度

労働基準法

労働基準法は、労働条件の最低基準を定めたものです。労働契約を結ぶための原則や、賃金・労働時間の上限、時間外労働の割増賃金などが定められています。
なお、建設業界は時間外労働の上限は適用除外とされていましたが、2024年4月からは建設業界でも適用されるようになります。

最低賃金法

最低賃金法は、労働者に対する最低賃金を定めた法律です。雇用をする側は、この法律の定め以上の賃金を支払わなければなりません。
最低賃金は都道府県によって異なりますが、令和元年に東京都と神奈川県では時間給1,000円を超えました。

労働安全衛生法

労働安全衛生法は、労働者の安全と健康を守ることや、職場環境を快適にすることを目的とする法律です。
健康診断も、事業者が労働者に受けさせることがこの法律で決まっています。

労働者災害補償保険法

労働者災害補償保険法は、労働者の業務中や通勤中の怪我や病気などに関する保険給付に関する法律です。
いわゆる「労災」と言われているものですね。

労働契約法

労働契約法は、労働者と賃金を払う使用者との契約について、基本的なルールを明確にしたものです。
労働者も使用者もこの法律を理解することで、雇う側と働く側との無駄な紛争が無くなることが期待されています。

過労死等防止に関する法制度

平成26年に、過労死等防止を推進するための法制度が制定されました。
当時、日本では過労死が多発して社会問題となっていたこと、そして過労死が本人・遺族・社会にとっての大きな損失となっていたためです。

過労死等防止対策推進法

過労死等防止対策推進法は、過労死の防止のための対策を推進するための法律です。日本では過労死の多発を背景に、平成26年に施行されました。

過労死等の防止のための対策に関する大綱

過労死等防止対策推進法に基づいて、政府は具体的な政策や数値目標を大綱としてまとめました。約3年ごとに見直されていて、令和3年の改訂ではコロナ禍で定着した新しい働き方などにも言及されています。

業務災害

業務災害とは、労働者が業務によって被ってしまった負傷、疾病、障害、死亡のことを言います。
防水工や塗装工の場合、足場からの落下でけがをしてしまうという例もあります。
労働安全衛生法改正により2022年1月2日以降は6.75m以上の高さの作業は落下防止用のフルハーネス型安全帯着用が義務化されました。
労働者が業務災害を負ってしまった場合に支払われるのが、労災保険です。労災によって、怪我の治療費や、仕事ができない間の収入などが保証されているのです。
なお労災保険の保険料は、全額事業主の負担でまかなわれています。

過労死等防止対策推進法

過労死等防止対策推進法は、過労死の防止のための対策を推進するための法律です。日本では過労死の多発を背景に、平成26年に施行されました。

労災保険を請求

労災を申請する場合は、保険給付請求書を所轄の労働基準監督署長に提出します。請求書には事業主の証明が必要です。

労災保険の給付

労災の種類によって、給付の形式は異なります。本人に直接支払われる場合や、治療費が病院に支払われるようなケースなどがあります。

働き方改革

働き方改革は、働く方々の個々の事情に応じて、多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革です。
有給休暇を確実に年に5日は取得させたり、時間外労働時間の上限が制限されたりなど、働き方改革を進めるための法改正は、順次進んでいます。
前述しましたが、建設業界でも2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されます。

アルバイト

アルバイトであっても、働く以上は労働契約の締結や労災保険の対象です。また、働き方改革の波はアルバイトにも波及しています。
最もインパクトがあるのが、同一労働同一賃金という制度です。正社員とアルバイトで待遇に大きな差を無くすことで、多様な働き方を選ぶことができるようになるのが狙いです。